塾講師として生徒と信頼関係を築くためには、授業の質だけでなく、適切な雑談も重要な役割を果たします。特に、初対面の生徒やまだ打ち解けていない生徒とは、どんな話をすればよいのか悩むことも多いでしょう。
この記事では、6年間で2つの個別指導塾でのべ40人以上の生徒を指導し、新人講師のメンターも経験した筆者が、実践的な会話のコツを紹介します。生徒との距離を縮め、より良い指導環境を作るためのヒントを詳しく解説していきます。
この記事で分かること;
- 生徒と打ち解けるための会話のポイント
- 授業以外の雑談をうまく活用する方法
- 生徒が話しやすい話題と避けるべき話題
- 会話のタイミングと注意点
- 講師として信頼関係を築くための具体的なテクニック
生徒と打ち解けるコツ|信頼関係を築くための雑談テクニック
生徒との雑談は、単なるおしゃべりではなく、信頼関係を築き、授業への意欲を高める大切なコミュニケーションです。適切な雑談を取り入れることで、生徒がリラックスし、学習にも前向きに取り組めるようになります。ここでは、生徒とスムーズに打ち解けるためのポイントを紹介します。
1. 生徒の興味に寄り添う
生徒が興味を持っている話題を取り上げることで、自然と会話が弾みます。
✅ 例:「最近ハマってるゲームある?」、「好きなスポーツは?」など、アニメ・ゲーム・音楽・スポーツなど生徒の関心がありそうな話題を探る。
✅ ポイント:普段の会話から生徒の趣味を把握し、興味を示してあげることで、より話しやすい雰囲気を作れます。
2. 無理に会話を広げようとしない
雑談が得意ではない生徒もいるため、会話が続かなくても無理に盛り上げようとしなくてOK。
✅ 例:「あ、そうなんだ!」と軽く受け流すのもひとつの方法。
✅ ポイント:相手の反応を見ながら、話しすぎないバランスが大切。会話を嫌がる生徒には、無理に雑談をしない方が良い場合もあります。
3. リアクションを大きめにする
生徒が話しやすくなるように、適度なリアクションを意識しましょう。
✅ 例:「えっ、本当に!?」「それ、すごいね!」など、驚きや共感を込めた反応をすると、会話が弾みやすくなります。
✅ ポイント:ただ話を聞くだけでなく、表情や声のトーンを意識して、興味を持っていることを伝えることが大切。
4. 短い会話を積み重ねる
一度にたくさん話す必要はなく、短い雑談を何度も繰り返すことで自然と距離が縮まります。
✅ 例:「最近寒くなったね」「今日は部活あった?」など、ちょっとした一言を日常的に投げかける。
✅ ポイント:最初は短い会話から始めて、生徒が話しやすい雰囲気を作ることが重要。
生徒と話しかけるベストなタイミングとは?自然な会話を引き出すコツ
生徒とのコミュニケーションは、指導の質を高めるだけでなく、信頼関係を築く上でも重要です。しかし、話しかけるタイミングを誤ると逆効果になることも。ここでは、自然な流れで会話を生み出しやすいタイミングを紹介します。
1. 授業前後のちょっとした時間
授業が始まる前や終わった後の数分は、生徒と距離を縮める絶好のチャンスです。
✅ 例:「今日は学校どうだった?」と軽く声をかけるだけで、授業前の緊張を和らげられます。
✅ ポイント:生徒の様子を見ながら、無理のない範囲で話しかけることが大切。
2. 休憩時間や問題を解いているとき
長時間の集中は難しいため、適度に雑談を挟むことでリラックスできます。
✅ 例:「この前話してたゲーム、進んだ?」といった趣味の話をするのも◎。
✅ ポイント:あくまでリフレッシュが目的。話しすぎて勉強の邪魔にならないよう注意。
3. 宿題やテストの話をきっかけに
勉強の話題から自然に雑談につなげるのも効果的です。
✅ 例:「この問題、学校で習った?」と質問すると、学校での出来事を話しやすくなります。
✅ ポイント:生徒が答えやすい質問をすることで、会話が広がりやすくなります。
塾講師必見!生徒との会話が弾むネタ20選
塾講師にとって、生徒とのコミュニケーションは授業の雰囲気を左右する重要な要素です。生徒が話しやすい話題を振ることで、信頼関係が深まり、授業にも前向きに取り組みやすくなります。ここでは、塾講師が使える会話ネタを20個紹介します。
1. 学校の話
✅ 「今日の授業どうだった?」
✅ 「最近の学校イベントは?」
➡ 生徒にとって身近な話題なので、会話のきっかけになりやすい。
2. 部活・習い事の話
✅ 「部活忙しい?」
✅ 「大会はいつ?」
➡ 運動部の生徒は特に話しやすいテーマ。
3. 好きな教科・苦手な教科
✅ 「好きな教科は何?」
✅ 「一番苦手なのは?」
➡ 勉強の話題につなげやすく、指導にも役立つ。
4. 最近見たアニメ・映画・ドラマ
✅ 「何か面白いアニメ見てる?」
✅ 「最近映画館行った?」
➡ アニメ好きの生徒は熱く語ってくれることが多い。
5. ゲームの話
✅ 「今ハマってるゲームある?」
✅ 「どのキャラ使ってる?」
➡ ゲーム好きな生徒はかなり話してくれる鉄板ネタ。
6. 好きな食べ物・お菓子
✅ 「学校帰りに何食べる?」
✅ 「好きなお菓子ある?」
➡ 意外と盛り上がることが多いテーマ。
7. 休日の過ごし方
✅ 「休みの日って何してる?」
✅ 「家でゆっくりする派?出かける派?」
➡ 生徒の趣味が分かるきっかけに。
8. テストや宿題の話
✅ 「今回のテスト難しかった?」
✅ 「宿題、ちゃんと終わりそう?」
➡ 勉強のモチベーションアップにもつながる。
9. 旅行やお出かけの話
✅ 「最近どこか行った?」
✅ 「旅行するならどこ行きたい?」
➡ 家族旅行や友達とのお出かけの話につながる。
10. 未来の夢や進路の話
✅ 「将来何になりたい?」
✅ 「大学行きたい?」
➡ 真剣に話してくれる生徒が多い。
11. 好きな音楽・アーティスト
✅ 「最近よく聞く曲ある?」
✅ 「推しのアーティストいる?」
➡ 音楽好きな生徒は熱く語ってくれる。
12. ペットの話
✅ 「家で何か飼ってる?」
✅ 「犬派?猫派?」
➡ ペットを飼っている生徒には特に盛り上がる話題。
13. 季節のイベント
✅ 「ハロウィンは何するの?」
✅ 「クリスマス、どう過ごす?」
➡ 季節ごとの話題は盛り上がりやすい。
14. SNS・YouTubeの話
✅ 「好きなYouTuberいる?」
✅ 「最近バズってる動画知ってる?」
➡ 流行を知るきっかけにもなる。
15. 面白かった授業・先生の話
✅ 「学校で面白い先生いる?」
✅ 「この前の授業でびっくりしたことある?」
➡ 予想外の面白い話が聞けることも。
16. スポーツ観戦の話
✅ 「最近の試合見た?」
✅ 「推しのチームある?」
➡ スポーツ好きの生徒にはぴったりの話題。
17. アルバイトの話(高校生向け)
✅ 「バイトしてる?」
✅ 「どんな仕事してるの?」
➡ 高校生なら興味を持ちやすい話題。
18. ファッション・服の話
✅ 「どこで服買う?」
✅ 「好きなブランドある?」
➡ おしゃれな生徒には特に話しやすいテーマ。
19. 最近のニュース・話題
✅ 「最近のニュースで気になることある?」
✅ 「学校で話題になってることある?」
➡ 知識を深めるきっかけにもなる。
20. 好きな動物・キャラクター
✅ 「好きなキャラクターいる?」
✅ 「ぬいぐるみとか持ってる?」
➡ キャラクター好きの生徒には鉄板の話題。
塾講師が避けるべきNGな話題|生徒との信頼関係を守るために
生徒との雑談は大切ですが、話す内容には十分注意が必要です。不用意な話題は、生徒を不快にさせたり、信頼関係を損なう原因になったりすることも。以下の話題は、できるだけ避けるようにしましょう。
1. 政治・宗教・価値観に関する話
✅ 「○○って正しいと思う?」
✅ 「○○を信じてる?」
➡ 意見が分かれやすく、議論になりがちなため、避けるのが無難。生徒の家庭の方針とも関わるため、特定の考えを押し付けることのないよう注意。
2. プライベートに踏み込みすぎる質問
✅ 「お父さん・お母さんってどんな人?」
✅ 「彼氏(彼女)いるの?」
➡ 家庭環境や恋愛の話題は、生徒によっては不快に感じることがある。家庭の事情を詮索するのはもちろん、恋愛の話も距離感を間違えると生徒が警戒する原因に。
3. 他の生徒の悪口や成績比較
✅ 「○○くんのほうが成績いいよね」
✅ 「○○ちゃん、ちょっと変わってるよね」
➡ 生徒間のトラブルの原因になりやすく、信頼を失う危険あり。生徒同士を比較するような発言は、モチベーション低下につながることも。
4. 体型や容姿に関する話題
✅ 「ちょっと痩せた?」
✅ 「背が低いね!」
➡ 体型や外見に関する話題は、本人が気にしている可能性があるため要注意。何気ない一言でも、深く傷つけてしまうことがある。
5. お金に関する話題
✅ 「お小遣いいくらもらってる?」
✅ 「家って持ち家?」
➡ 家庭の経済状況に関わる話はデリケートな問題。生徒によってはプレッシャーを感じたり、コンプレックスを刺激されたりすることもあるので避けるのがベスト。
6. 教師や学校の悪口
✅ 「○○先生って厳しすぎるよね」
✅ 「学校のルールって意味ないよね」
➡ 生徒が共感しやすい話題に思えても、教育者としての立場を考えると好ましくない。学校の先生へのリスペクトを失わせる原因にもなる。
塾講師の雑談力が生徒との信頼を深める!
塾講師にとって、生徒との雑談は単なるコミュニケーションではなく、信頼関係を築き、学習意欲を高めるための重要な要素です。会話のネタに困ったときは、生徒が話しやすい話題を意識し、適切なタイミングで声をかけるようにしましょう。
私の経験上、一度でも雑談で盛り上がった生徒は、その後の授業でも積極的に話してくれるようになります。
とはいえ、雑談は無理にするものではありません。生徒の性格や状況に応じて、自然な形で取り入れることが大切です。ぜひ今回紹介した会話ネタを活用し、生徒との距離を縮めながら、より良い指導環境を作っていきましょう!
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